Thunderbolt3外付けSSD「Samsung Portable SSD X5」を買ってきた。iMacの起動ディスクにしたら効果絶大。
一年半前に購入したiMacの速度低下が半端ではないので、高速化のためThunderbolt3外付けSSDを買ってきました。その効果は絶大!
iMacはなぜ遅い?
現在、メインで使っているiMacはM1世代では無いにしろ、まだまだ「新しい」世代です。
購入した時の記事がこちら。
CPUのコア数も多くストレージはFusion Drive、メモリも増設して「早くて当たり前」のはずです。
なのに、起動(電源ボタンを入れてから、デスクトップにメニューバーやアイコンが表示され、操作できる状態になるまで)に8分間もかかるようになりました。
購入した時点ではこんな状態ではありませんでした。
さまざまなアプリケーションソフトを入れ、OSをアップデートして、毎日のように使っているうちに気がついたら反応も鈍く、たまに勝手にフリーズして再起動(Macは一定時間フリーズすると自動的に再起動します。)するようになりました。
推測ですが、以下の点が大きな要因かと思います。
ネットで調べるとFusion Drive(1TB)の評判は良くありません。内蔵するSSDの容量が少なすぎるそうです。
Fusion Driveに頻繁にアクセスするソフトウェアを使っている場合は、普通のハードディスクドライブを使っているのと大差ない遅さとか。
そもそも、起動時間がとても長い(遅い)ということは、macOS自体がとても「重い」としか言いようがありません。
最新のmacOSはM1チップとSSDをスペックにもつ最新のMac向けなのかもしれません。
ではどうすればこのiMacが早くなるのか?選択肢は、
ということで、SSDに変えるべく検討していきます。
SSDに変えたら本当に早くなる?
サブマシンとして利用しているMacBook AirはiMacと同じOSとソフトウェアを使っていても、起動も早いし操作応答もキビキビしています。
大きな違いはストレージがSSDだという点です。
ということは、iMacも起動ドライブをFusion DriveからSSDに変えさえすれば、同レベルの速度アップが期待できます。
どうやってSSDに変える?
iMacに内蔵されているFusion DriveをSSDに換装する作業は素人にはできません。
ネットには「素人でも内蔵ドライブを交換できた」という情報も多数ありますが、どれも専用工具を使って慎重に作業しています。慣れた人でないとリスクが大きすぎます。
さらに、iMacはモデル(年式)によって微妙に内部の構造が異なり、専用工具を買って苦心して分解したら「参考にした情報と違ってた!」となる可能性も大。
ではプロに頼んだらどうか? 換装サービスをしている業者もありますが、費用も高額ですし大きなiMacを梱包して送るだけれも大変です。
解決策を探していたところ、iMacにThunderbolt3でSSDを外付けすれば、内臓SSDに近い(同レベルは無理ですが)速度が出せるとのこと。
これなら買ってきて繋げるだけ。換装サービスよりはるかに安く、iMacを分解しないので壊してしまう心配は皆無です。
ということでThunderbolt3に対応したSSDドライブを探しました。
ポイントは
- 信頼性
OSを入れて起動ディスクにするからには、信頼性が高いことは絶対条件です。
SSDは別売りのケースのみの製品もあり、安価に外付けSSDドライブを構築できるようですが、その代償として、メーカー信頼性(製品保証)や発熱といったデメリットが大きくなります。 - 容量
iMacの内蔵ドライブは1TBですが、使用済み容量は半分以下です。断捨離すればさらに減らすことができるので500GBあれば十分です。iMacの内蔵ドライブもそもまま丸ごと使えるので、合わせれば常に1.5TBが使用可能になります。
これらのポイントを念頭に絞り込んだのがこちら。
実際に買ってきた
実際に買ってきました。ネットで購入です。
スマホGalaxyで培ったのか、サムソン社らしく高級感あるパッケージです。
重ね置きには向いていませんが、曲線形のフォルムが美しい。
放熱の関係で、意図的に上に物を積み重ねできない形状にしているのかも。放熱効果とデザインの一石二鳥、とても賢いですね。
説明書とケーブルが付属している全てです。
説明書は特に読む必要はありません。つなげてディスクユーティリティで初期化(OSをインストールできる形式で消去)するだけです。
お引っ越し
次はiMacの内蔵ドライブから外付けSSDへのお引っ越しです。
作業の流れは、
- iMacのバックアップ
Time Machineで最新のバックアップが完了ができていることを確認。 - 外付けSSDを初期化
買ってきたSSDを消去してmacOSをインストールできる状態にします。
- 外付けSSDにmaxOSをインストール
iMacを復旧モード(「Command+Rキー」同時押し)で再起動し、ユーティリティウインドウで「macOS を再インストール」を選択します。(※インストール先はSSD)
- 外Time Machineからデータを復元
インストールを進めていると、自然に外付けSSDで起動されます。起動後、セットアップ画面に従って個人データをTime Macineから復元します。
拍子抜けするほど簡単に全てのデータが元通り復元されています。ただし、
なので、あらかじめ(Apple IDの)パスワードや(ソフトウェアの)ライセンス番号など必要な情報を用意しておくとスムーズです。
SSDに変えた効果は?
なんの計測をせずとも、まず起動が倍以上早くなったと体感できます。
起動時間
実際に計測した起動時間(電源ボタンを入れてから、デスクトップにメニューバーやアイコンが表示され、操作できる状態になるまで)を比較してみると、
- Before(内蔵Fusion Drive):500秒(8分20秒)
- After(外付けSSD):91秒(1分31秒)
劇的に早くなりました。数字では5倍以上早くなったことを示しています。
ただし、OSを再インストールした直後であり、システムが汚い状態(Before)とクリーンな状態(After)を比較しているので測定条件はフェアではありません。しばらく使用している内にこの差は小さくなる可能性があります。
ドライブの性能
ソフトウェアを使って、ドライブの読み書きのスピードを計測してみました。
※計測するたびに数字はバラつくので、ご参考程度にみてください。
Before(内蔵Fusion Drive)
Fusion Driveも内蔵SSDのおかげで連続したデータの読み込みはとても高速です。ハードディスクとは雲泥の差であり、そこだけみると以前のiMacの起動時間の遅さは謎ですね。
After(外付けSSD)
Fusion Driveに比べてどのシーンでも速度が大幅アップしています。これが安定した快適スピード実現の要因でしょうか。
とにかく、アプリが瞬間で起動され、ファイルが瞬間で開かれるので、使っていて全くストレスがありません。
さらに、Fusion Driveもサブドライブとして常に利用できるので、その高い性能と容量が無駄になりません。容量の大きな動画や画像ライブラリはFusion Driveに入れたまま作業してもとても快適です。これは当初想定していなかった嬉しい点です。
結果、Thunderbolt3外付けSSDの導入効果は、
- 買い替えに比べて費用対効果は絶大
- ドライブの素人換装と比べてリスク&工数は激減
でした。古いiMacをお使いの方には超オススメです。
おしまい。